オルタナティブ投資

プライベートバンク(Private Bank)って何?実態をわかりやすく解説

本日は富裕層のみに門戸が開かれているプライベートバンクについて、

どのような組織なのか?

プライベートバンクを利用する際に気を付けるべき点はあるのか、

という点に焦点をあてて書いていきたいと思います。

 

プライベートバンクってなに?

まずそもそもプライベートバンクとは何ものなのかという点から説明していきたいと思います。

確かに、プライベートバンクという言葉を聞く機会はあるが結局何なのでしょうか?

 

プライベートバンクは皆さんが利用できる金融機関ではありません。

プライベートバンクはスイスを発祥にして欧米で発達した金融機関で、通常の銀行が一般的な言葉は悪いですが大衆を相手にするのに対して、

プライベートバンクは富裕層を相手に金融業を営んでいます。

 

富裕層というのは、どれくらいの資産を持っていればいいんでしょうか?

日本で営業している外資系の金融機関であるクレディースイスは最低10億円以上、UBSウェルスマネジメントは2億円以上となっています。

 

プライベートバンクの特徴①:オーダーメイドの顧客対応

プライベートバンクはPrivate Bankと読んで字の如く、Private Jetのように富裕層個人によりそって、オーダーメイドで資産形成に資する相談や投資先の紹介を行っています。

もっとわかりやすく言えば、飛行機のエコノミークラスとビジネスクラスの違いですね。

 

エコノミークラスは予め決められた画一的な料理や飲み物が出されますが、ビジネスクラスでは顧客毎にCAが気にかけ料理も選べて、追加注文をいつでも出すことができます。

プライベートバンカーがそれぞれの顧客により沿い、意に沿った資産運用を行うアドバイスと投資商品を紹介していくのがプライベートバンクの特徴といえるでしょう。

 

プライベートバンクの特徴②:高い秘匿性

先ほどあげた日本に存在する外資系のプライベートバンクであるUBSやクレディースイス証券はスイスの金融機関ということもあり、

顧客の口座情報を一切外部に漏らさないという高い情報秘匿性を有しております。

富裕層の中には自分の資産情報などを是が非でも知られたくないという方もいらっしゃるので、そのような方にはうってつけのサービスであるということができるでしょう。

 

プライベートバンクの特徴③:グローバルな投資商品

日本の銀行で取り扱われている投資商品は日本の金融庁管轄の商品にい限定され、投資信託や外貨預金、債券、株式が主な金融商品となります。

しかし九レディースイスやUBSのようなグローバルに展開しているプライベートバンクでは、グローバル展開の中で取り扱いのある特殊な金融商品を顧客に紹介することができるのです。

 

投資の先進国は欧米であり、日本は投資信託の質が低いことからもわかる通り金融後進国です。

世界の最先端の金融商品を選択肢にいれることができるのは大きな強みということが出来るでしょう。

具体的にどのような商品をプライベートバンクはあつかっているのでしょうか?

 

プライベートバンクが取り扱っている特殊な商品

それではプライベートバンクを通じて購入することができる商品の例を説明していきます。

劣後債

劣後債なんて聞いたことないという方がほとんどではないでしょうか。

通常企業が倒産したときに払い戻す順番としては、借入金等の債務⇒株主という順番になりますが、劣後債は通常の債務を返済した後に返済される債務ということになります。

 

つまり返済順位としては通常の債務⇒劣後債⇒株主という順番になります。返済順位が遅い代わりに債券利回りは高く設定されているという商品です。

株式と債券の両方の性格を併せ持った債権ということが出来るでしょう。

優先株

こちらも普段一般の投資家がお目にかかることのない債券ですね。

優先株は通常の株式とは違い議決権を与えられていない代わりに、優先的に配当金を受け取る権利や企業解散時に通常の株主に優先して清算配当を受け取る権利を有した株式になります。

返済順位は通常の債券⇒劣後債券⇒優先株⇒通常株式という順番になります。

 

仕組債

仕組債も馴染みのない金融商品であると思いますが、少し前にドイツ銀行のCoCo債というのが話題に上りましたよね。

CoCo債は発行体である金融機関の自己資本比率が予め設定されていた閾値を下回った場合に、元本の一部又は全部が消滅したり株式に転換される債券です。

つまり、マーケット環境や企業の健全性等によって利率や元本が変動したり、

株式になってしまうという性質を持っている代わりに通常の債券よりは高い利回りを享受できる債券のことを指します。

 

ヘッジファンド

ヘッジファンドは私募ファンドであるため、通常の投資家は触れる機会がありません。

しかし欧米にも拠点があるプライベートバンクには欧米の著名ヘッジファンドと取引がある銀行も多く、

独自のコネクションを用いてヘッジファンドを紹介することが可能です。

 

日本からでは資金があっても、海外ということもありなかなか障壁が高い海外の著名ヘッジファンドに触れることができるというのは大きなメリットですね。

しかしまた別の機会でも紹介しますが、規模が大きくなりすぎている著名ヘッジファンドは近年運用成績が低迷している傾向にあり、

著名であるから安定した利益が見込めるというわけではないという点についてはご留意いただければと思います。

 

プライベート・エクイティー(PE)ファンド

プライベート・エクイティ・ファンド(以下PEファンド)は当ブログでも、ヘッジファンドと共に推奨しているオルタナティブ投資の雄です。

PEファンドは上場されている株式ではなく、未公開の株式に投資を行い、

企業価値を向上させた上で株式を売却して売却益を得るファンドです。

通常のファンドとコンサルを併せ持ったファンド形式であるということができるでしょう。

 

【参照】
PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)のビジネスモデルを解説する
PEファンドとベンチャーキャピタル(VC)を比較

 

取引一任勘定

プライベートバンクが「銘柄・価格・数量・売買の別」をすべて決定して顧客の資産を運用することを取引一任勘定と呼ばれていますが、現在は禁止されています。

というよりこれはもはやヘッジファンドと同じですよね。

 

現在プライベートバンクが許容されている取引一任勘定は限定的に行われており、顧客と取引総額の枠だけを決めて後は自由に行うものから、

銘柄・数量・売買の別は事前に同意を得て価格については範囲を決めて取引を行う方法などが用いられています。

取引一任勘定の形態については、各プライベートバンクに確認を行う必要があるでしょう。

 

プライベートバンク利用の注意点

何か注意点はあるのでしょうか?

 

注意点①:高い手数料

オーダーメイドで顧客によりそうのが、プライベートバンクの特徴なので、一人当たりの顧客から徴収する手数料は高くなります。

飛行機でもエコノミークラスより、ビジネスクラスのほうが手数料が高いのと同じことです。

 

口座維持費は数万円規模ですので富裕層からしたら大した金額ではないんですが、先ほどお伝えした一任勘定を使用する場合は相場として1.5%~2.0%の手数料がかかります。

10億円の資産があれば、それだけで1500万円ですね。

 

一任勘定を使用しない場合は、保管料として0.3%~0.5%のカストディ手数料、取引毎の手数料、資産運用コンサル代としてのアドバイザリー費用約1.0%と掛かってきます。

一任勘定を使用しようが、しまいが2.0%~3.0%の手数料が掛かってきます。

 

この手数料は資産全額に対してなので、非常に大きなものとなります。

資産運用の実質的な利益というのはインフレ(現在日本では約1.0%)と手数料控除後なので、

5.0%の投資利益が上がったとしてもインフレ1.0%と手数料2.0%~3.0%を差し引くと最終的には実質的に1.0%~2.0%の利益に凹んでしまうのです。

 

注意点②:偏りがちなアドバイス

プライベートバンクは手数料ビジネスです。

そのため、本当に質のよい投資商品よりも、手数料を稼ぎやすい商品をすすめてくる可能性があります。

 

利益相反がおこりやすいということです。

プライベートバンカーが勧めてくる投資商品を鵜呑みにするのではなく、過去のトラックレコードをしっかりとみて自分で投資判断を下す必要があるでしょう。

 

総括

プライベートバンクは富裕層に対して資産運用に関する総合コンサルタントとしてのサービスを提供しており、

グローバル展開を武器として通常の投資家が購入できない複雑な商品も取り扱っている。

一方手数料は非常に高く、アドバイスしてくる商品もプライベートバンクにキックバックが多い商品となるおそれもあるため、自分の目で判断することが肝要となる。

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